タバコ屋のおばあちゃん

昨日は管理している貸家の植木の剪定の見積もりで植木屋さんと会いました。
良心的な価格だったので大家さんも安心してくれるだろう、とちょっぴりいい気分で店に戻る途中でした。
管理している駐車場をちらりと眺めて通り過ぎようとしたときいつもと違う光景が・・・
タバコ屋さんのシャッターが閉まっている!
月曜日の15時に閉まっていることなんてめったにありませんでした。
おばあちゃん具合悪いのかな・・・
気にしつつ店に戻りました。
すぐに我が家のおばあちゃんに用事のあるタバコ屋さんの隣の駐車場の大家さんが見えたので私は自分の住まいに戻りました。
午前中で授業が終わり帰宅していた兄ちゃんと「ケーキが食べたいね♪」と相談して、私が買いに行くことになりました。
おばあちゃんに出かけることを告げようとした時丁度駐車場の大家さんが帰られた後でした。
見送ったおばあちゃん、はぁ・・・とため息をついています。
どうかしたのか(大家さんとなにかあったのか)聞いてみますと・・・
「タバコ屋のおばあちゃん、先週の土曜日の夜に亡くなったんだって。」
え・・・、だって私、先週の木曜日に会って話したばかりなのに!
大好きな自分の家で1人で息を引き取ったそうです。

この92歳になるおばあちゃん、おじいちゃんに先立たれてからは一人暮らしでした。
お子さんやお孫さんが同居を勧めても「ここが好きだから離れたくない!」とガンコに1人で店を営んでいました。
その為ご家族は毎日のように食事を運び、携帯電話を渡して連絡をとっていたようです。
小柄でかわいいおばあちゃん、町の人気者でいつも店の奥の椅子にちんまり座っていました。
そこには店の前を通る昔馴染みの方々がちょこっと寄ってはおばあちゃんとおしゃべりをしていました。
私も毎週リビング新聞を届けに奥まで入って新聞を手渡ししていました。

先々週の木曜日、いつものように新聞を手渡すとおばあちゃんは棚から茶筒を手にとって、中からキャンデーを三つくれました。
「いつもニッキ飴じゃ飽きちゃうから^^」といただいたのがソーダ味のキャンデー。
ひとつをその場でいただき残りを手提げ袋に入れました。
おばあちゃん、いつもに増してニコニコして携帯電話を私に差し出しました。
「先日来た、ひ孫の写真^^」
2歳位の坊やが一人乗り用の赤い自動車に乗り、その後ろでタバコ屋のおばあちゃんがニコニコ笑っています。
まあ、かわいい!以前見せていただいたお写真の時より大きくなっていますね、と言うといっそう笑顔になって「ひ孫はかわいいよ~^^」と笑顔が絶えませんでした。
ふと見るとおばあちゃんの左眼が少し腫れている気がしましたのでたずねると、
「充血してね、眼科の先生に血圧が高いんじゃないかと言われたので内科医に行ったらやっぱり高かった。」
内科医では心配事とかないか聞かれたそうです。
「タバコの自販機のせいかね~、2つのうち1つを撤去してから寂しくてね~。」
タスポ制度からタバコの販売率が激減したので撤去したそうです。
その時は遠くを見るような寂しそうな眼で自販機が置いてあった場所を見つめていました。

それから1週間後の先週木曜日、いつものようにタバコ屋さんに奥まで入って新聞を手渡ししながら私は手短に「雨がぽつぽつ降ってきたから今日は先を急ぎますね!」と言いました。
少し立ち上がりかけたおばあちゃんでしたが笑顔で見送ってくれました。
立ち上がりかけたのは多分棚の飴を取ろうとしたのでは・・・からだが半分そちらを向いていたように思います。
「いつもありがとさんです。」
私の帰り際に必ずかけてくれる言葉でした。

今日、タバコ屋のおばあちゃんのお通夜があるそうです。
「おばあちゃん、おじいちゃんの所へ行って仲良くタバコ屋さんをやってくださいね。天国にはタスポは導入されていないでしょうから。」
ご冥福をお祈りいたします。
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by livingmama | 2009-06-09 09:41 | 冠婚葬祭