魔の交差点

我が家は十字路の角から2件目にあります。
ここの十字路は交通事故が多いところで、転居以来何件の事故に遭遇したことでしょう。
そして今夜も・・・

兄ちゃんの新しい自転車が外(といっても駐車スペース)に出しっぱなしだったことに気づき、
外に出た瞬間制服警官がやってきました。
目の前の路上にはパトカー。
ひっ、私何かした?自転車、路上に停めてなかったし・・・
「今そこで黒い猫が瀕死の状態なんですが、どこの猫かご存知ありませんか?」
え?猫?
交差点の角に確かに黒いものが横たわっています。
傍らには自転車と所有者と見られる若い男性(我が家の兄ちゃんくらいかな)。
猫と接触したのかしら?それにしてもパトカーが来るとは・・・
「首輪をしているので飼い猫だと思われるんですよ。虫の息なのでせめて最期に買主の方に会わせてあげたくて探しているんです。」
若い警察官の方の必死さに私と主人とおばあちゃん、ご近所に声をかけまくりましたよ。
犬を飼っているお宅はお散歩や玄関先の「犬」のシールでわかるのですが、猫は外に出さないご家庭が多いですからどなたが飼っているのかわかりません。
窓越しに猫のシルエットが見えたお宅など数箇所をまわりました。
残念ながら半径100m範囲のお宅にはいらっしゃいませんでした。

現場に戻ると猫を囲む人数が1人増えていました。
眼鏡をかけ髭をたくわえた外国人の男性。
近所の方ではないので近くの大学教授が通りがかり瀕死の猫を見過ごせなかった様子。
交差点と言えども夜の9時過ぎですからあたりは暗く、街灯は反対側にありました。
慌てて懐中電灯を持ってくるとさらにご近所の方が増えて総勢7~8名になっていました。
その時車が停まり、女性がこちらに駆け寄ってきました。
あ、黒猫ちゃんの飼い主かしらと思ったら・・・
りっちが中学生の時のPTAの会長さん!
お宅は1km程離れたところだと思ったのですが。
「今、夫に電話で呼ばれて。」
夫・・・は、そういえば元会長さんのご主人外国の方だったわ!
若い警察官もあちこちの動物病院に電話するもほとんど診察は終わり(あたりまえの時間帯ですが)、翌日も連休に入るのか休診が多いとのこと。
人間ならすぐに救急車で搬送できるものの、動物は夜遅くだとそのような場所がない様子。
それでも必死に飼い主を探し、病院を探す警察官。
「自分も猫を飼っていたことがあるものですから。」

そう、警察官の制服を着ているけれど彼は一青年として大怪我を負った猫を見捨てらなかったのです。
そして先ほどからだまって立っていた大学生くらいの男性、実は彼が接触したのではなく、
通りがかりにこの黒猫を見つけて近所の交番に通報したとのことでした。
おそらく車が黒い猫に気付かず接触、そのまま放置してしまったようです。
現場の先は信号のある交差点、青信号に合わせてスピードアップする車が多いのです。
元会長さんのご主人が決断しました。
「ハコハアリマスカ?タオルモヒツヨウデス!」
パパさんが家に飛び込んでダンボールを持って来ました。
斜め向かいのお宅の方が古いタオルを持ってきてくれました。
そしてタオルで猫をくるみ、箱に入れて元会長さんが動物病院に連れて行ってくれました。
もしかしたらアソコの動物病院なら自宅も一緒だから見てくれるかも、というところを思い出したのでアポなしで行ってくれました。

猫ちゃんを乗せた車とパトカーが立ち去ると、そこには点々と血の痕がありました。
明日の朝通学でここを通る小学生がビックリするからと、私とパパさんで掃除を開始。
すると町内会長さんがバケツに水を汲んできて一緒に洗い流し作業をしてくれました。

帰宅後のパパさんコメント。
「ご近所パワーも凄かったけど、PTAの元会長さんご夫婦には頭が下がるよ。」
そう、ご近所さんでもないのに献身的に最後までみてくれたあおの態度。
そして、全国の警察官がさっきの若い警察官の方のように一生懸命だといいのに。
鼻の奥がツンと痛くなるような夜の出来事でした。
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by livingmama | 2008-05-01 23:46 | 日記